追加機能提案 / Version 1.0

A社 御中
TPMS APP 活用アイデア集

「異常を知らせる」の、その先へ ── A社 APP が次に取るべき一手のご提案
2026年8月24日 / 株式会社ピースフラットシステム
本資料は、Version 2 でご検討中の中核機能(正常確認音声・蛍の光・2段階しきい値)を前提に、
「今後こんなこともできます」というアイデアをまとめたものです。

00私たちの提案姿勢 ── 「作れます」ではなく「一緒に勝てます」

本資料の位置づけ

この資料は、単なる機能カタログではありません。 「こんな機能が技術的に作れます」という羅列ではなく、A社 TPMS APP が次に取るべき一手を、私たちなりに考え抜いた提案です。御社のプロダクトビジョン(安心して出発できるAPP/プラットフォームの出発点)を理解したうえで、「次にこれをやれば勝てる」という視点で各アイデアを整理しました。

市場は「TPMSを義務化する方向」に動いています

アイデアの前に、前提を1つ共有させてください。TPMSの装着は、米国・欧州ではすでに法規で義務化されています。日本は乗用車への装着義務がなく、後付け市場として成立している状態です。

これは裏を返すと、日本のユーザーは「義務だから付ける」のではなく「必要だと納得して買う」市場だということです。したがって、機能の数ではなく「なぜ必要か」を体験として伝えられるAPPが勝ちます。御社が「安心確認」を軸に据えられているのは、この市場特性に対して極めて正しい判断だと考えています。

本資料のアイデアは、すべてこの軸の延長線上に置いています。

アイデアの3分類

分類意味
既存ハードで実現可センサー・受信機はそのまま。APP側のソフトウェア更新だけで実現できるもの
要ハード連携外部機器・外部サービスとの連携が必要なもの
先取り機能まだ国内のTPMS APPで本格実装されていない領域。仕込めば先頭に立てるもの

※ 併記の 個人 法人 は主なターゲットを示します。

既存のセンサー・受信機はそのままに、
APPの更新だけで届けられる価値がまだあります。
以下 ①〜⑨ は、ハードウェアの変更を伴わない機能拡張のご提案です。

01既存ハードのまま実現できる機能拡張

センサー・受信機を変えずに、APP側の実装で完結するアイデア

スローパンク予兆検知
既存ハードで実現可先取り機能
  • タイヤの空気は、正常な状態でも月に数%ずつ自然に抜けます。この「自然減少」と、釘を踏んだときの「異常減少」を、減り方のカーブで区別します
  • 温度の影響を補正したうえで圧力推移を評価。気温が下がって圧力が落ちているだけなのか、実際に漏れているのかを切り分けます
  • しきい値に到達する前に「左前タイヤ、通常より早く空気が減っています。点検をおすすめします」と通知
  • 複数回の走行セッションをまたいで判定するため、誤報が出にくい設計にできます
なぜこれが効くか。御社の「異常の手前から知らせる」という思想を、しきい値の1段深いところまで押し進める機能です。2段階しきい値が「今の値が危ない」を伝えるのに対し、これは「このままいくと危ない」を伝えます。TPMSの本来価値であるバースト予防に最も直結し、他社との差が最も出る領域だと考えています。
季節の空気圧補正アドバイス
既存ハードで実現可個人
  • 気温が10℃下がると、タイヤの空気圧はおよそ0.1 bar 下がります。冬に「空気圧が減った」と感じる原因の多くはこれです
  • APPが気温変化と圧力低下の関係を把握し、「気温低下による低下です。異常ではありません」と説明できる
  • 季節の変わり目に「そろそろ空気圧の調整時期です」とリマインド
  • 冬タイヤ/夏タイヤのプロファイルを切り替えられ、標準空気圧としきい値をセットで管理
なぜこれが効くか。「警告が出たけど、これは異常なのか?」というユーザーの不安に答える機能です。説明できる警告は、信頼される警告になります。逆に理由の分からない警告が続くと、ユーザーは通知を無視するようになります。安全機器として、これは避けなければならない事態です。
出発前セルフチェック
既存ハードで実現可個人
  • 「運転開始時の正常確認音声」を、長距離運転や連休前に能動的なチェック体験へ発展させる
  • 4輪の圧力・温度・電池残量・前回調整からの経過日数を1画面で確認し、「出発OK」を提示
  • チェック結果を家族に共有できる(帰省前に親の車の状態を確認する、等)
  • 長距離移動の前日にプッシュ通知で「明日の遠出に備えて空気圧を確認しましょう」
なぜこれが効くか。御社の思想である「安心して出発できる」を、運転開始の瞬間だけでなくその前日から作り始める提案です。TPMSは普段は空気のように存在する製品ですが、「出発前」という明確な利用シーンを作ることで、ユーザーがAPPを開く理由が生まれます。
タイヤ管理ノート(ローテーション・交換時期)
既存ハードで実現可個人
  • タイヤの装着日・走行距離・ローテーション履歴・交換履歴をAPP内で管理
  • 「前回のローテーションから5,000km。そろそろ入れ替え時期です」と通知
  • ローテーション時はAPP上で装着位置を入れ替えるだけ。センサーを外す必要なし
  • スタッドレスへの履き替え時期を、地域と気温から提案
なぜこれが効くか。TPMSの利用者は、タイヤに対する関心がもともと高い層です。「空気圧を見るAPP」から「タイヤを管理するAPP」へ広げることで、APPの利用頻度と継続率が上がります。将来のタイヤ販売店連携(⑩参照)への足がかりにもなります。
走行レポート・エコドライブ可視化
既存ハードで実現可個人
  • 走行セッションごとに圧力・温度の推移を記録し、月次レポートを自動生成
  • 適正空気圧を保てていた期間の割合を「今月の空気圧スコア」として提示
  • 空気圧不足は燃費悪化の原因になります。適正維持による燃費・タイヤ寿命への効果を可視化
  • 温度の異常な上昇履歴から、ブレーキの引きずり等の兆候を振り返って確認できる
なぜこれが効くか。TPMSは「何も起きないこと」が正常な製品のため、価値を実感してもらいにくいという構造的な弱点があります。レポートは「このAPPがあったから適正を保てた」を可視化する装置です。買ってよかったと思ってもらえれば、レビュー評価とリピートに直結します。
車両の共有見守り(家族・チーム)
既存ハードで実現可個人法人
  • 1台の車の状態を、複数のスマートフォンで確認できるようにする
  • 高齢の親の車を、離れて暮らす子が見守る。社用車を管理者が把握する
  • 異常発生時は、運転者本人だけでなく共有相手にも通知
  • 本人はAPPを触らない運用(設定は家族が代行)にも対応
なぜこれが効くか。TPMSを最も必要とするのは、自分でタイヤを点検しない層です。しかしその層はAPPも積極的には使いません。ここに「見守る側」を1人加えるだけで、製品が届く相手が一気に広がります。加えてこれは、Phase 4 のクラウド・法人管理へ向けた最小の実験にもなります。
CarPlay / Android Auto 連携
既存ハードで実現可個人
  • 車のディスプレイに、タイヤ状態をシンプルに表示
  • スマートフォンを手に取らずに監視状態が分かる。運転中の操作を要求しない設計と極めて相性が良い
  • 音声案内をカーオーディオから出力し、ナビ音声と同じ導線に載せる
  • スマホをポケットに入れたままでも監視が続く運用が自然に成立
なぜこれが効くか。iOSのバックグラウンドBLE制約に対する実用的な回避策の1つでもあります。「APPを開いたまま運転してください」という制約は、車載ディスプレイに出せるのであれば、ユーザーにとって制約ではなくなります。技術課題を体験設計で解く、という考え方です。
センサー電池の交換予告と購入導線
既存ハードで実現可法人
  • 電池残量の推移から交換時期を推定し、切れる前に通知
  • 「あと約2ヶ月です」の段階でお知らせし、突然の監視停止を防ぐ
  • 交換用電池・交換用センサーの購入導線をAPP内に設置
  • 複数車両・多輪の法人利用では、交換計画の一覧管理が実務的価値を持つ
なぜこれが効くか。センサーの電池切れは、ユーザーが最も「壊れた」と感じる瞬間です。事前に伝えられていれば不満になりませんが、突然止まればサポート問い合わせとレビュー低下に直結します。同時に、消耗品の継続販売というハードメーカーならではの収益機会でもあります。
アクセシビリティ対応(高齢ドライバー向け)
既存ハードで実現可個人
  • 文字サイズの拡大、コントラスト強化、色覚特性に配慮した状態表現
  • 色だけに頼らず、形・アイコン・音声を併用して状態を伝える
  • 設定項目を絞った「かんたんモード」。初期設定を販売店が代行できる導線
  • 音声案内の速度・音量を調整可能に
なぜこれが効くか。高齢ドライバーは、タイヤの点検頻度が下がりやすく、TPMSの必要性が最も高い層です。同時に、APPの操作でつまずきやすい層でもあります。ここを丁寧に作り込むことは、単なる配慮ではなくターゲット市場そのものへの対応です。御社の「迷いにくい設定・登録」という方針の自然な延長でもあります。
外部と繋ぐと、APPは「監視」から「事業」に変わります。
以下 ⑩〜⑭ は、外部機器・外部サービスとの連携を前提としたご提案です。

02外部連携・事業拡張のアイデア

クラウド(Phase 4)以降を見据えた、収益と販路につながる機能

販売店・整備工場との連携
要ハード連携法人
  • タイヤ販売店・カー用品店・整備工場が、顧客の同意のもとでタイヤ状態を確認できる仕組み
  • 「そろそろ交換時期です」を店舗から案内できる=店舗にとっての来店動機の創出
  • センサーの初期設定・装着を店舗が代行し、その場でAPPを使える状態にして納車
  • 取扱店マップをAPPに搭載し、ユーザーを店舗へ送客
なぜこれが効くか。TPMSの後付け市場では、販売チャネルの確保が売上を決めます。「店舗にとって売る理由がある製品」にできれば、営業の質が変わります。APPは単なる製品付属品ではなく、販売店を巻き込むための道具にできます。
法人向けフリート管理(Phase 4 の中核)
要ハード連携法人
  • 運行管理者が全車両のタイヤ状態を1画面で把握。異常車両を即座に特定
  • 点検記録として出力可能な形でデータを蓄積。日常点検の記録業務の代替に
  • 整備計画への活用(交換時期の近い車両を月次で一覧化)
  • ドライバー/管理者/整備担当の役割別権限
なぜこれが効くか。商用車の運行事業者にとって、タイヤの脱輪・バーストは事業を止める事故です。個人向けが「安心」を売る市場であるのに対し、法人向けは「損失回避」を売る市場であり、価格の説明がしやすくなります。御社のロードマップ Phase 3・4 は、この市場に向いています。
大型車の「内輪」に特化した価値訴求
要ハード連携法人先取り機能
  • ダブルタイヤの内側は、目視でもハンマー打音でも異常に気づきにくい箇所です
  • 内輪だけを抜き出した専用ビューと、内外輪の圧力差からの異常検知
  • 片側だけ空気が抜けると、もう片方に荷重が集中して連鎖的な破損につながります。この関係をAPPが説明する
  • 連結・解放に応じたトレーラーの動的な監視切替
なぜこれが効くか。大型車向けTPMSの提案で最も刺さるのは、機能一覧ではなく「内輪は見えない」という現場の実感です。Phase 3 の営業資料は、この一点に絞るだけで説得力が変わります。多軸多輪の表示機能は、そのための手段として位置づけるべきだと考えています。
ドライブレコーダー・車載機器との連携
要ハード連携先取り機能
  • タイヤ異常の発生時刻と、ドラレコの映像記録を突き合わせられるようにする
  • 「いつ、どこで釘を踏んだか」を後から特定できる
  • 事故発生時の記録として、タイヤ状態のログを併せて残す
  • スマートフォンを持たない運転者向けに、車載表示機での状態表示に対応
なぜこれが効くか。「スマホを常に見ていられない」というTPMSの根本的な制約に対して、車載側にもう1つ受け皿を作るという発想です。御社は受信機というハードウェア資産をすでにお持ちです。スマホAPPと車載受信機の役割分担を再設計できるのは、ハードを持つメーカーだけの強みです。
蓄積データの二次活用
要ハード連携先取り機能法人
  • 匿名化した圧力・温度データを蓄積し、季節・地域ごとの傾向を分析
  • 「この車種はこの時期に低圧になりやすい」といった知見を、しきい値の初期値に反映
  • タイヤメーカー・整備業界への知見提供という将来の事業機会
  • 市場全体の傾向を把握し、製品開発の判断材料とする
なぜこれが効くか。ハードを持ち、APPを持ち、市場に台数を出せる御社は、実走行データを継続的に取得できる稀有な立場です。ただしこれは、初期設計でデータ構造を整えておかなければ実現できません。今回のVersion 2 の設計で、後から効いてくる部分です。なお、データの取得・利用にあたっては、利用者への説明と同意取得の設計が必須です。

03提案一覧マップ

14案の全体像

#提案実現に必要なものターゲット優先度に関する所見
スローパンク予兆検知APP更新のみ個人+法人最優先。御社思想の中核を最も強化する
季節の空気圧補正アドバイスAPP更新のみ個人実装が軽く効果が大きい。早期に入れたい
出発前セルフチェックAPP更新のみ個人Version 2 の音声機能の延長で実装可能
タイヤ管理ノートAPP更新のみ個人継続利用率に効く。Phase 2 候補
走行レポートAPP更新のみ個人価値の可視化。レビュー評価に効く
車両の共有見守りAPP更新+簡易サーバー個人+法人Phase 4 への最小の実験になる
CarPlay / Android AutoAPP更新のみ個人iOS制約への実用的な回避策を兼ねる
電池交換予告と購入導線APP更新のみ個人+法人サポート負荷の削減と消耗品売上に直結
アクセシビリティ対応APP更新のみ個人主要ターゲット層への対応。設計初期から
販売店・整備工場連携クラウド+店舗用画面法人販売チャネル戦略と一体で検討すべき
法人向けフリート管理クラウド(Phase 4)法人御社ロードマップの本命
大型車「内輪」特化大型車対応(Phase 3)法人Phase 3 の訴求の核にすべき論点
ドラレコ・車載機器連携外部機器との仕様調整個人+法人受信機資産を活かせる。中長期
蓄積データの二次活用クラウド+同意設計法人設計だけ今回入れておく
まず着手するなら ①②③ です。 いずれもハードウェアの変更が不要で、Version 2 の実装範囲の延長線上にあり、かつ御社が掲げる「異常の手前から知らせる」「安心して出発できる」という思想を最も強く体現します。この3つが入るだけで、工場標準APPとの差は誰の目にも明らかになります。

04技術的な補足

実装にあたっての前提と留意点

1
判定ロジックはAPP側、重い処理はクラウド側
スローパンク検知のような判定は、走行中にオフラインでも動く必要があるため、APP内で完結させます。一方、長期の傾向分析や複数車両の横断分析はクラウド側で行う設計とします。通信できない場所でも監視は止まらないという原則は崩しません。
2
データ構造を先に決めておく必要があります
④⑤⑥⑪⑭ はいずれも「時系列で記録が残っていること」が前提です。Version 2 の段階で計測値に一意なIDと時刻を持たせておけば追加開発だけで到達できますが、省くとAPP本体の作り直しが発生します。これは今回の設計で決めてしまうべき事項です。
3
誤報を出さないことが、すべての前提です
予兆検知は「早く知らせる」機能であるがゆえに、誤報のリスクが最も高い機能でもあります。複数走行セッションにまたがる連続判定、温度補正、復帰判定を組み込み、実測データで閾値を調整する工程が必須です。ここは実機・実車での検証なしには成立しません。
4
安全に関する表現には配慮が必要です
「パンクを予知します」と言い切ることはできません。APPは点検を代替するものではなく、あくまで気づきを補助するものである旨を、表示・音声・取扱説明のすべてで一貫させる必要があります。表現の設計も実装の一部として扱います。
5
クラウドは後から足せる設計にします
⑥⑩⑪⑭ はクラウドを伴いますが、今回のVersion 2 でクラウドを作る必要はありません。同期キューを差し込める構造にしておくことだけが今回のスコープです。

05弊社について

なぜ弊社がこの提案をできるか

現場の機器とつなぐ開発の実績

浄水場の太陽光発電設備を対象に、計測機器からのデータ取得・異常判定・警報発報(ネットワーク制御信号灯)までを一貫して構築・納品しています。クラウドが使えない閉域網という制約下での構築実績です。

世界初のドローン航路開通に参画

2025年3月27日、国内2エリアで世界初となる「ドローン航路」が開通し、当事例が経済ニュース WBS(ワールドビジネスサテライト)で紹介されました。

音声AI・ウェアラブル領域の知見

大手通信事業者グループ向けに、イヤホン・レコーダーを起点とした音声AI活用の企画提案を行っています。デバイスとクラウドAIをつなぐ設計の実務経験があります。

ISO/IEC 27001(ISMS)認証取得

情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格の認証を取得しています。本件においても情報資産の保護に努めます。

弊社は「仕様を受け取るだけの会社」にはなりません。 御社が開発パートナーに期待されている「仕様を受け取るだけでなく改善案を提示できること」を、契約前の本資料の段階から実践しています。本提案の各アイデアについて、実現方法・工数感・優先順位のご相談はいつでも承ります。

06ネクストステップ

本資料をどう使っていただきたいか

No.アクション内容
1優先順位のすり合わせ14案のうち、御社の事業計画に照らして「入れたいもの」「不要なもの」をご選別ください。1時間程度のお打ち合わせで整理できます
2Version 2 の設計への反映採用するアイデアが決まれば、今回の設計に織り込むべき項目(データ構造・権限・同期)を確定します
3技術検証(PoC)での併行確認BLEの受信検証を行う際、①のスローパンク検知に必要なデータ精度が取れるかも同時に確認できます
一緒に「次の TPMS」を育てる
パートナーでありたいと考えています。
株式会社ピースフラットシステム / A社 A社 TPMS APP Project